ハプニング



@えー!!あそこで、巨石を持ち上げる男(特報王国風)

           〜in パシュパティナート(ネパール)〜

 パシュパティナート。カトマンドゥから自転車で15分くらい走ったところにある町だ。ここでは火葬のガートが見られる。オレが言ったときはちょうど火葬をしているところだった。足の方にはまだ火が回っていなくて、突き出ていたのが印象的(こんなに軽く流していいのだろうか)。ガイドの説明によると、死ぬときですら、階級によって使われついてガートが違うのだそうだ。それから、ヒンドゥーの教えによると、人は、"Naked Come. Naked Go.”であるから、死ぬときは、何も身につけないでただ白い布に包まれて焼かれるのだという。何か考えさせられる。
 そんな人生について考えさせるものがここにはもう一つある。ガートの近くには、死を待ち受ける人たちの家があるのだ。不治の病を患う人や、老齢の人が暮らしている。彼らは、飲まず食わずでひたすら祈りながら死を待っている。町の人たちは、平気で暮らしているのだが、やはり我々日本人にとっては、重い町なのである。

 だがしかし、しかし、ここはインド人の町。やっぱりいるのである。そんな,なまっちょろい人生哲学を、真っ向から否定してしまうような者が。
 彼の名は、「ババ」(ヒンドゥー教の行者は、皆このように呼ばれていると聞いた気もするが。)。私は、人生について考えながら浸っているとき,彼は突然現れた。「おまえにすごいものを見せてやる。」と。

 彼は、頭に白い布を巻き、オレンジの服を着ている。いわゆる修行者の服装。話を聞くと,彼は、河の対岸の洞窟のようなところで修行しているという。女はだめだが、薬はやってもいいのだそうだ(インドは法律で、行者に限り認めているらしい。)。
 「すごいものってなんだ?」と聞くと。こっちへ付いてこいと言う。

 取りあえずなんだかわからないから、ついていってみる。ババは,ちっちゃな石の建造物の後ろに回り込む。
   「なんだかあやしくなってきたぞ・・・・。」

 ババは、周りから見えないところにくると、こちらを振り返り,仁王立ちして神々しいような姿で言った。足下の人の頭ぐらいある石を指さしながら、曰く「オレは、ちんちんでこの石を持ち上げる。見たかったら5ドル払え。」と。
        ・・・・ガタッ。
 やっぱりそういうことだったのか。こいつはおそらくニセ行者でしょう。さすがはインド人。雰囲気をすっかり壊してくれました。
でもみると、その石の重さは30キロぐらいはありそうだ。これをちんちんで持ち上げるとはどういうことか。俄然興味がわいてくる。
「やっぱり堅い状態の時に持ち上げるんだろうな、相当堅いんだろうな。鍛えればオレも・・・。」
 ついつい見たくなってしまって、5ドルを払ってしまった。

 するとババは、ひもを取り出して、石を巻き付け始めた。きっちり石も固定し終えると,やおらババは、片足で立ち、残りの足を膝の前にクロスさせて、前屈みになる。そして,険しい顔。
    ・・・・・とうとう始まるのか!!
 そう思ったら、構えていたカメラに向かって突然カメラ目線。・・・これはただのサービスポーズらしい。いつまで立ってもこちらを見ているから、しょうがないから1枚撮って上げた。 

    ・・・・おいおい早くやってくれよ。

 満足気なババは、やっと糸とチンチンを結び始めた。まだ柔らかいやつ。チンチンを糸でぐるぐる巻きにする。哀れなチンチン。同情する。しかし準備は完了。あとはビンビンカチカチになって、ピンと石を持ち上げてくれるのを待つだけ。男の中の男という姿を撮ろうと、カメラを構えた。
 ところがである。ファインダー越しに見えたのは、「ビヨーン」、という姿。
 ババは、柔らかいモノのさきっぽを握り、上に引っ張っていた。モノの中間部がビヨーンと下に延びる。その長さ30センチぐらい。ま、それでも石はちゃんと持ち上がっていた。そして石をブルブラさせる。
  得意げなババの顔。・・・・・そしてカメラ目線。

期待は外れた。男の中の男、という姿は幻想だった。ただちょっと安心したかも。ビンビンだったら、同じ男としてね、そりゃ悔しいもんな。

 しかしあのとてつもながくのびるモノに、インドの混沌としたパワーを感じた。
        我々の想像力を越える土地、インド。おそるべし!!

Aマザーハウスへ行こう!

              〜in カルカッタ〜

 インドのカルカッタには、あのマザーテレサの住む修道院マザーハウスがあり、運が良ければマザーに会うことができるのだ。8月20日夕方4時、オレはアポなしでマザーハウスを訪問した。その日は、運良くマザーがいて会うことができた。彼女は思ったより小柄だったが、とても崇高な感じでオーラを放っていたせいでとても大きく感じられた。オレを含め10人程度の面会者がいたが、彼女は一人一人に話しかけて、頭に手をかざして”God Bless You."のお祈りまでしてくれた。」それは時間にして本の5、6分だったが、オレは心を洗われた気がしてとても感動した。君の人生に大きな影響を与えてくれるであろうから、皆ももし彼女と会うチャンスがあったら、会いに行った方がいいぞ!

 ※ 彼女はオレが会った次の日かに体調を崩して入院してしまった。(オレが風邪でもうつしたかな?)とても心配していたが、今は回復して退院したみたいで本当に良かった。彼女のような人にはぜひ長生きしてもらいたいと心から願う。
 ちなみに、全米で行われた、今ちまたで話題のクローン人間で誰を作りたいかというアンケートでは、M・ジョーダンと並びマザーテレサが圧倒的人気だったそうである。

 


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