紅海へ

9/6(木)

 朝6時起床。7時のバスでアンマンから紅海のあるアカバへ向かった。3時間30分、ほとんど眠っていた。首が痛い。たどり着いたのは、岩山と砂に囲まれた紅海の街。

 スーク(市場)の中にあるペトラHOTELに宿をとった。「紅海で一泊したい」2年前のイスラエルで、日帰りで紅海へ行った慌ただしさが強く記憶に残っていて、今回こその一泊だった。

 マスクとシュノーケルを借りて、いざ紅海へ。・・・小魚が泳ぐ、それほどきれいでもない海だった。イメージしていた珊瑚と熱帯魚のカーニバルは、船で少し行ったところらしい。
 "Please give me the boat ticket"
 "Finish today. Only two boat 1 day. Ok, come tomorrow."
中1レベルの会話で今日のすべてが砕け散った。とにかく海で泳ごう。それはそれで気持ちよかった。

 17時頃、まだ日差しも強い中、ホテルのあるスーク近くに戻って、街をブラブラ歩くことにした。鳥の丸焼き、ライス、サラダ、コーラが今日の夕食。量が多すぎて死にそうになりながら、町並みに溶け込んでいった。

 20時、穏やかな一日を過ごして、この日はすべて明日のためにあることを実感していた。とにかく万全の体調で足を踏み入れよう、ペトラへ。この旅行で落ち着いた時間を感じたのは、ここのホテルでシャワーを浴びた時だった。行きの飛行機でその国のことを読み、限られた日数の中で現地を歩きながら日々のスケジュールをたて、その街のことを知っていく。効率よく自分のスタイルで歩くこと。この面白さは、反面「安らげる場所」には少し遠いのかもしれない。今は一秒一秒が体にしみこんでくる。シャワーから部屋に戻るドアノブに手をかけた瞬間、なぜか異国にいることに鳥肌が立ってしまった。成功や幸せの価値観は国が違えば大きく違う。理性的には当たり前だと思っていたのに、今になってようやくそれを感じられる自分がいる。いろんな価値観に触れることが目的なのに、それに触れた瞬間に、この国で違う価値観を持ったひとりの男がやたら弱々しく思えた。

7日目へ