旧市街とその周辺
11/26(金)

この日はまず「シャガールの窓」を見に行く。ヘブライ大学付属病院にあるこのステンドグラスは、イスラエル12部族にまつわるエピソードを12枚のステンドグラスに表している。「なんじゃこりゃ」というのが最初の印象だったが、じっと見て絵の全体が見え出すと、一枚だけ気に入ったステンドグラスがあることに気付いた。人聞きになんとかバスでたどり着いた場所は本当に普通の病院だった。「入っていいか?」って感じだった。医者も看護婦もいるのに、ぼくのような不審な人物も呼び止められない。
バスでイスラエル博物館へ。思ったより広い。目的は死海写本だったので、まずはそこに行くが、たくさんの顔を持った博物館でとても面白かった。歩いていると、絵画が飾ってある部屋にたどり着いた。今まで、壁画、彫刻、写真などいろいろをと見てきたが、絵には「奥行きがあるな」と初めて感じた。確かに、壁画は人間の生きる力を感じる。彫刻はよくわからないが、写真は伝えたいことがダイレクトにすべて伝えられる。しかし、絵画は違う。何時間もの時の流れを一瞬の絵に置き換える課程で様々なデフォルメがあるはずだし、その中に作者の伝えようとすることが凝縮されている。だからこそ、そこに何かわからない魅力を感じるようになった。
博物館を出ると、立食パーティーみたいな事をやって騒いでいる。「これ飲んでいいの?」と聞くと、「当然」といった感じで飲み物をくれた。ワインもある。ケーキやおつまみも用意されていた。旧市街へ戻ろうとバスを待つが、まったく来ないので、中央バスターミナルに行こうとしている3人に話しかけて、シェルトタクシーに同乗させてもらった。
旧市街に着いたのが2:30。毎週金曜日3:00から「ヴィア・ドロローサ(悲しみの道)」(キリストが十字架を背負って張付にされて死ぬまでの道)をサンフランシスコ会の修道士が十字架を背負って行進する。これに加わるべく、旧市街に戻ってきた。ライオンゲートに向かう途中「鞭打ちの教会」で青年に呼び止められ、教会内を案内してもらって、外に出るとちょうどその集団に出会ったので、後をついていった。修道士の集団はポイント(ヴィア・ドロローサは14留にわけられている)ごとにホニャホニャと祈りの言葉(?)を捧げて聖墳墓教会へ。ここはキリスト教が生まれた場所なんだと、あらためて認識した。