旧市街(The Old City)
11/25(木)
朝7:30に目が覚める。よく寝た。いままで拠点にしていながらもほとんど廻っていなかった旧市街(エルサレム)を見て回ることにした。
まずはヤッフォ(ジャファ)門そばのダビデの塔へ。今日はやたらと寒い。この塔からは旧市街が一望できる。歴史深い塔でありながら、現代基調のガラス細工が置かれていて不思議だった。イスラエルの古代歴史などを軽く学べる小さな博物館もあった。
次にアルメニア地区を越えて「嘆きの壁」へ。この壁に祈りに来る人々の悲願を記した紙切れに夜露がたまり、それがヒソプの草を伝って落ちてくる。これが涙を流すユダヤ人の姿にたとえられ、「嘆きの壁」と呼ばれるに至った。7月頃にはユダヤ人が断食をしながら祈っているらしい。壁の向こうにはあの「岩のドーム」がある。しかし、とたん雨が降り出したので、ここは後日にまわして、聖墳墓教会へ。
聖墳墓教会はキリストが張付の刑に処された場所である。キリストの墓もあり、「地球のおへそ」だと言われている。人間だったんだと思うと不思議だ。中国か韓国の観光ツアーおばさん集団が十字架をバックに記念写真を撮っている。邪魔でならない。でも、傍目に見たらぼくも一緒なんだよなぁ、と思った。
シオン(ZION。映画「マトリックス」の「ザイオン」はここからきてるのか?)門を出て、ダビデ王の墓、「最後の晩餐」の部屋へ。あの「最後の晩餐」の舞台かと思うとこれまた不思議でならない。
少し歩いてホロコースト博物館へ。第二次世界大戦でナチスに虐待されたユダヤ人の資料がある。奥には立方体の白い固まりが飾られている。「SOAP」と書かれてある。実はこれ、人間の油で作られた石鹸で、逃げ帰ってきたユダヤ人が持ち帰ってきた遺品のひとつである。怖い。
門の外を歩いて、シンドラー(オスカーシンドラーの墓はイスラエルにある)の墓を探すが見あたらなかった。城壁に沿ってライオン門から城塞(旧市街)へ。マリアが生まれたと伝えられる聖アンナ教会へ。頭や帽子に水を掛けられてお祈り。神聖な場所を醸し出していた。
一度ホステルに戻り、荷物を置いて「ヤド・パシェム」(ナチスに虐殺されたユダヤ人を慰霊する博物館。多くのユダヤ人を救った杉原千畝の植木もある)へ。杉原千畝の植木をカメラに収めたとたんに大雨がふってきた。シャッターを切った瞬間だったので、そのタイミングの良さ(悪さ?)にちょっとびっくりした。
再び旧市街に戻るが、この城塞は奥が深い。3日4日歩き回っても魅力は尽きない。教会から市場、学校までひとつの町を形成しているのだから当たり前かもしれないが。結局岩のドームは土曜日の朝まで開かないと言われ、この日はあきらめた。ある程度の予定がどんどん崩れていく。最終日に行こうと思ってたカイザリアはここであきらめることになる。