エルサレムへ

11/22(月)

 朝5:30に目が覚めた。でもボーっとしてたら2時間が過ぎて、7:30に朝食に。今日はエルサレムに向かおうと、どうやって行こうか考えながらパンを食べていた。8:00、おばあちゃんの部屋のドアをたたいた。いろいろ連れまわされるのかと思って構えていたら、エルサレムまでの行き方を教えてくれて「HAVE A GOOD TRIP!」。「え?」と思った。急に寂しくなった。そして、「ここから旅が始まるんだ」と思った。さあ、行こう。エルサレムへ。

  10番のバスで中央バスステーションへ。エルサレム行きのバスを探して、乗り込んだ。約1時間。エルサレムのバスステーションに着いて、「どうしたものかな」と地図を観ていると、一人の男が近寄ってくる。タクシードライバーのようだ。旧市街(OLD CITY)に行くつもりだと言うと、「今日と明日は門が閉まってて入れないから、死海に連れて行ってやる」と勝手にスケジューリングしてくる。クムラン(「死海写本」が発見された場所)にも行きたいし、エンボケック(死海の中でも南の方)もいい、といろいろ話していると、やたら快く引き受けてくれる。そして「1日180ドル」と。・・・・!ふざけるなと思って断ったら、怒り出す。これがエジプトなら適当にかわすんだけど、いまいち人種がつかみ切れていないイスラエルではちょっと怖かった。が、ここで弱気になると負けてしまう。強引に車を降りようとすると、「30分話しに付き合ったんだから、30シェケル払え」と言ってくる。「自分から誘ったんじゃないか!」って言うと、「俺は公式のタクシードライバーだ(白タクじゃない)」と言う。理由になっていない。まあ、まだ明るいし、人通りがないわけではないので、強引に逃げた。

 再びバスステーションから歩き始めて、旧市街へ。ようやくたどり着いた。歩いて30分くらい。旧市街は何事もなく人々が出入りしている。そして生活している。「この国もエジプトと同じだ」そう思った。人は平気でうそをつく。でもそこにはやくざ的な怖さはなく、「お金がほしい」という純粋な(?)気持ちから観光客をだましにかかるのである。余談だが、エジプトでは逃れられない「バクシーシ」はほとんどなかった。

  旧市街。「城壁に囲まれた遺跡」くらいにしか思っていなかった。しかし、ここは教会、住居、市場、ホテル、銀行、学校、広場・・・いろんなものが集まって、ひとつの町となっていた。まるで城下町である。日中はうっとおしいほどの人混みであふれ、とても活気があるが、夜になると町中がシャッターを閉じて、まるで迷路に迷い込んだかのように、閑散とした、どちらかというと殺風景で怖い町並みに変身する。この場所を4つの地区にわけて宗教を異にする人々が生活している。そして何よりもこの場所は旧約聖書から延々とつづく歴史深い場所なのである。「ほぉ」と思いながら、「ま、まずは宿を探そう」と歩き回る。少しでも安い場所をと。どうしてもエジプトと比較してしまうが、感覚的には500円でも高いくらいに思っていた。しかし、いくつか回って最終的に決めた「タバスコ」ホステルは一泊20ドル。ここを起点に今回の旅行を過ごすことになる。もともと旧市街に宿を取ろうと思っていたので、4泊分まとめて支払った。あとで思えば、もう少しいくつか宿を経験しても良かった気もするが、まあ荷物を持ち歩く手間を考えれば悪くはない。

 身軽になって旧市街を歩き回る。と言っても名所が多く、道もこんがらがっているので、初日の行動範囲は大したものではなかった。迷いそうなので慎重に地図を観ながら、「タバスコ」の場所だけは把握しておいた。雰囲気はエジプトのスーク(市場)と似ている。城壁に囲まれた旧市街は8つの門を持っている。そのうち「ダマスカス門」を出て壁沿いに歩き、カバーブピタを昼食に、郵便局へ。余裕で日本に電話をしようとしたが、全然かからない。「あっれぇ?」と思って何度も確認するが、この日は結局掛けられなかった。後で知ることになるが、現在イスラエルは3つの電話会社が競争していて、どの会社を通すかをまずプッシュしなければいけない。それから81(日本)、市外局番(0抜き)以降をプッシュすれば通じるのである。

 再び城壁に沿って「ライオン門」へ。「ヴィア・ドロローザ」(「悲しみの道」。キリストが十字架を背負わされてから張り付けの刑に処せられるまでの道のりをいい、毎週金曜日に3時から巡礼者の行進が行われる。)を辿ってみた。14カ所のポイントを確認しながら歩く(写真は「3留」)が、「聖墳墓教会」にたどり着けずに、途中で「タバスコ」に到着。教会とホステルが結構近かったんだな思い、部屋に戻った。まあ、いつでも行けるだろう、と。

 ホステルでは1日のツアーに申し込んだ。ただ名所を連れまわしてくれるだけのバスツアーだ。クムランも死海も回って70シェケル(33ドルくらい)。驚いたのは3:00起き。マサダ山に上って日の出を観るらしい。がんばんなきゃ。

 シャワーを浴びてほっとして6時。なんだかのどが渇いてビールを買ってきた。うまい!本当においしい。ふー、幸せ・・・?とにかく結構いい気分になってすぐ寝てしまった。

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