1973年にこの紙幣が発行された当時、カンボジアは内線の真っ最中でした。紙幣に書かれた子供の生き生きとした表情は、かつてのカンボジアを偲ばせてくれます。当時、全国に小学校が1,534校あり、生徒は48万人に及びました。(国立大学は1959年という早い時期に設立されていました。)
クメール・ルージュが1975年4月に勝利をおさめて以降、学校が閉鎖されるどころか、カンボジアは無秩序となりました。そして、物々交換や農業を基盤とする経済へと強制移行し、世界からその発展を遅らせることとなってしまうのです。
たった一枚の薄く軽い紙幣ですが、とても重い歴史を静かに語っているようです。
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